福島原発事故に関して、「五重の壁」が破られて放射線が外部に漏れたことに対して、松浦元原子力安全委員長は、1990年当時「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送
電線の復旧又(また)は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」と想定していた。全電源喪失は絶対に起させないという方針で、地震や津波の規模を予測し、安全対策を立てていたと告白しています。
五重の壁とは、「ペレット、燃料被覆管、原子炉圧力容器、原子炉格納容器、原子炉建屋」のことだそうですが、これが破られたということがどうしてそうなったのかを、分かりやすく説明する方法を考えてみました。
今回起ったことを子供でも分かる物語風にすると、こうです。
あなたの子供が、どうしても明日朝6時に起きなければ運動会の練習に間に合わない、と
いっています。明日はリレーの選手を選ぶ重要な練習なので、遅れればもう僕はおしまいだ、絶対に遅れられないと散々念をおして寝たとします。そこで親であるあなたは、目覚まし時計を5個用意しました。ひとつは電池式時計、ひとつは電気コード式時計、ひとつは自動巻きの鳩時計、ひとつはデジタル式腕時計、そしてひとつは実家にモーニングコールをお願いしました。完璧です。これで目を覚まさない訳はないとあなたは完全に信じています。。
ところが、翌日子供が目を覚ましたのは6時をはるかに過ぎてからでした。一体どうなっているのと、子供は半狂乱で泣き叫んでいます。何が起こったのでしょう。実は電池時計の電池が切れ、電気コード式時計は昨晩の一時停電で止まり、自動巻きの鳩時計は昨日の地震で傾き止まり、デジタル式腕時計もエレベーターの電磁波を受けたらしく止まり、モーニングコールが掛って来るはずの電話が料金不払いで昨晩中に不通になっていたのです。こんなことが5つ重なるなんて、まったくの想定外なので、あなたは子供に、「まったく予期不能であった」と子供に説明したのですが、子供は、「じゃあどうしてあと5個目覚まし時計を用意しなかったのか」と詰め寄ります。その時、親であるあなたは、「そんなにカネは掛けられなかったのだ」と開き直ったのです。
東電や原子力安全委員会は、まったくこれと同じ開き直りをやってのけました。目覚まし時計は5つあれば十分だと判断したのは、自分達だった訳です。ところが、これは想定外だったと言う。これは真っ赤な嘘です。想定は出来たのですが、敢て想定しなかったのです。最悪を考えてもきりが無いから、見切りをつけたのです。この責任は、本当に重いと思います。危機管理の考え方が間違っています。最悪の場合を考えていないなんて、最悪です。どうしてこんな人達が、重要な意思決定をしてこれたのでしょうか、この国は!もう勘弁して下さい。
